裁判員に選ばれた!!裁判員制度のよくある疑問点をまとてみた

サイバンチョ

裁判員制度が運用されて結構経ちました(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律:平成21年5月21日施行)。ここでは略して「裁判員法」又は単に「法」として扱います。

当初はテレビでワーワー言うとりましたが、最近ではほとんど触れられておらず。

急に呼び出しを受けて「そんな制度があったなぁ」とにわかに思い出すと同時に、どう対応すればいいか慌ててしてまっているのが現状かと思います。

そのような良く分からない「裁判員制度」について、よくある疑問点について考えていきます。「サイバイ員制度」と間違えて検索される方もいい機会ですからご覧ください。

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裁判員制度はどんな裁判が対象なの?

担当事件の種類

刑事事件が対象となっており、次の事件を担当します。

  • 人を殺した場合(殺人)
  • 強盗が,人にけがをさせ,あるいは,死亡させてしまった場合(強盗致死傷)
  • 人にけがをさせ,死亡させてしまった場合(傷害致死)
  • 泥酔した状態で,自動車を運転して人をひき,死亡させてしまった場合(危険運転致死)
  • 人の住む家に放火した場合(現住建造物等放火)
  • 身の代金を取る目的で,人を誘拐した場合(身の代金目的誘拐)
  • 子供に食事を与えず,放置したため死亡してしまった場合(保護責任者遺棄致死)
  • 財産上の利益を得る目的で覚せい剤を密輸入した場合(覚せい剤取締法違反)

どの裁判所で行われるの?

裁判員制度は、各都道府県庁所在地並びに函館市、旭川市及び釧路市の合計50市の地方裁判所本庁と、次の地方裁判所の10支部で行われます。

  • 福島地方裁判所郡山支部
  • 東京地方裁判所八王子支部
  • 横浜地方裁判所小田原支部
  • 静岡地方裁判所沼津・浜松支部
  • 名古屋地方裁判所岡崎支部
  • 長野地方裁判所松本支部
  • 大阪地方裁判所堺支部
  • 神戸地方裁判所姫路支部
  • 福岡地方裁判所小倉支部

つまるところ、地裁で行われる、ということです。

裁判員に選ばれたけど、辞退はできる?

裁判員精度は、原則国民全員参加の精度です。ですが、一定の要件に該当していれば、例外的に辞退を申し出ることはできます。以下は一例です。

  • 70歳以上の人
  • 学生
  • やむを得ない理由のある人(次の項目に該当する人)
  • ・重い病気又はケガ
    ・親族・同居人の介護・養育
    ・事業上の重要な用務を自分で処理しないと著しい損害が生じるおそれがある。
    ・父母の葬式への出席など社会生活上の重要な用務がある。

勤めの人が、「単に仕事が忙しい」だけでは辞退は難しいようで、「裁判員として従事する期間」、「事業所規模」、「担当職務の代替性」、「業務日程の変更可能性」、「裁判員として参加することでの事業への影響度」などを勘案して判断されます。

何日くらい裁判所へ行くの?

参加平均日数

平成26年12月までの実施状況によると、裁判員の裁判手続に参加した平均日数は5.3日でした。
最新の実施状況については、裁判所のHPをご覧ください。

1日の参加時間

実際に裁判が行われる時間は色んな要素が考慮され、裁判官との打ち合わせ・休憩などを含め、通常は1日に5~6時間程度のようです。

日当・旅費について

日当・旅費って何?

日当や旅費は、裁判員等の職務に対する報酬ではなく,裁判員候補者等として裁判所へ移動および裁判員等の職務を行うに当たって生じる損害の一部補償という形で支払われるものです。(法11条)

裁判所まで移動するための諸経費や収入の減少の補填などの趣旨です。

したがって、給与所得や一時所得に該当せず、「雑所得」として扱います。

会社勤めの人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人は確定申告が必要となるので注意です。

詳細は国税庁のHPで確認を。

金額は?

日当は、裁判員・補充裁判員は1万円以下、裁判員候補者は8千円以下とされています。裁判員等として参加する本人へ支払われます。

旅費(交通費)は、原則的に最も経済的な(安価なということ)経路や交通手段で計算される(最高裁判所規則で定められた方法で計算される)ので、実費と同額にならないこともあります。

また、遠方から裁判所に行く際には、宿泊料が支給されることがあります。

日当と休暇中の賃金の関係は?

上で触れたように、日当は裁判員としての諸経費や減少した賃金の補填という趣旨なので、有給休暇などに支払われる賃金とは全くの別物です。

よって、会社に賃金を返したり、日当を渡す必要はありません。

会社員だけど、会社は休めるの?

労基法7条により問題無く休める

労働基準法7条(公民権行使の保障)により、裁判員制度は公の職務(平17・9・30基発0930006)に該当し、裁判員として参加するために会社を休むことができます。

第七条  使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。

この場合、休暇中の賃金について、労基法7条では何も取り決めていないので、有給か無給かは各会社の判断によります(昭22・11・27基発399 や 全日本手をつなぐ育成会事件)。就業規則・労働契約書などに規定されているので確認してみましょう。

次の方法で休むことも出来ます。

年次有給休暇が使える

労基法7条の規定に基づいた休暇では無く、年次有給休暇を使って会社を休み、裁判所へ行くことも出来ます。

有給休暇を申請しようとするとき、上長・上司に理由を話す流れになった時、「裁判員に選ばれた」と話していいんでしょうか?それは次に見ていきましょう。

義務とかはある?

裁判員等でいる間の義務

裁判員等でいる間は,裁判員等に選ばれたこと等を出版や放送、ホームページ上(SNSなども当然含む)で不特定多数に教えてはいけません(第101条1項)。twitterで裁判員に選ばれたことについて写真付きツイートが流れていますが、あれはマズイですよ。

一方で、家族の中で話したり、休暇を取るため上司に話すことは問題ありません。

そして、裁判員は次の守秘義務が課されます。

終身の守秘義務

第九条2項 裁判員は、第七十条第一項に規定する評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏らしてはならない

具体的には、評議の経過過程、裁判員や裁判官がどのような意見を述べたかということ、その意見の支持数などの「評議の秘密」と、被害者など事件関係者のプライバシーに関する事項,裁判員の名前といった「評議外の秘密」が守秘義務の対象です(法108条第2項)。

これらは誰にも漏らしてはいけないものです。墓まで持って行きましょう。

裁判所まで移動中に怪我をしたらどうなるの?

後日、追記します。

終わりに

以上、裁判員法や労基法から良く質問がありそうな内容をまとめました。これら以外に分からない点がある場合は、最高裁のHPで調べるとすっきりするかもしれません。
裁判員制度Q&A(http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/index.html